びび子の日記…

人生半ばで獣医師になった人間が、仕事のこと、将来のこと、愛猫のこと、日常のことなどを綴ってみました。

猫の転嫁性攻撃

猫の問題行動の相談は、犬に比べて少ない。およそ10分の1くらいだろうか。

一番多いのは、攻撃の問題である。犬と違って、猫は「転嫁性攻撃」が見られることが多いような気がする。

 

「転嫁性攻撃」とは、ある状況で興奮状態に陥った動物が、まったく罪のない第三者を攻撃するというもの。まあ、第三者からしたら、いわゆる「とばっちり」をくらってしまうというものだ。例えば、家の中から外を眺めていた猫がいたとする。そこに外猫が現れる。それを見つけた家の猫が次第に興奮してくる。その興奮が極限に達した時に、たまたまそばにいた人間や他の同居猫、同居犬をターゲットにして攻撃をしてしまうのだ。興奮はすぐにおさまることもあるが、何日も続くことがある。また、一度はおさまっても、最初にターゲットにした攻撃の相手を見ただけで、あの時の状況がよみがえり、再びその相手を攻撃することもある。 

 

我が家のビビリンもそうだった。

ビビリンが窓から外を眺めていたら、外猫が目の前に現れた。彼女はウーウー唸りながら、徐々に興奮し、その声に気づいたボンズが「どうしたの〜?」と近づいた瞬間、「シャ〜」という声とともにボンズに襲いかかったのである❗️そして、びっくりしてベッドの下に隠れてしまったボンズを心配して、私は「大丈夫〜?」とベッドの下を覗き込んだその時、今まで一度も怒ったことのないボンズが反射的に私にシャーシャーしたのである‼️そう、ダブル転嫁性攻撃を実体験してしまったのである🙀

 

幸いにもみんなの興奮はすぐにおさまり、その後も何事もなかったかのように過ごしているが、一歩間違えれば大惨事になっていたかもしれない…💧

実際にこういった問題で相談に来られるケースは結構ある。まずは、猫の興奮が完全におさまるまでは別室に隔離するのが1番。そして、今後似たような状況が起きないように徹底することをおすすめしたい。ただ、いろんな状況があり、個々に対策も違ってくるので、猫の攻撃で悩んでいる方は行動治療を専門とする獣医師に相談してくださいね。

 

こんなイチャイチャが2度と見られなくなる可能性があったかと思うと、気をつけないとなーと思う今日この頃…(^_^;)

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