びび子の日記…

人生半ばで獣医師になった人間が、仕事のこと、将来のこと、愛猫のこと、日常のことなどを綴ってみました。

犬や猫の問題行動とは⁉︎

    そもそも犬や猫の問題行動の定義とは、「人間社会と協調できない行動」あるいは「人間が問題と感じる行動」のこと(インターズー刊『臨床行動学』より)。その行動が異常か正常かは関係ない。つまり、動物にとっては正常な行動であっても、人間が問題だと感じたら問題行動になるのです。

    例えば、「吠える」って犬にとっては当たり前のこと。でも人間からしたら、うるさくて眠れない、ご近所からも苦情がくる、何とか吠えないようにしたい…、こういう場合、それは問題行動になるのである。

    もちろん犬猫にとって異常な行動の場合もある。飼い主さんがいなくなることで不安が高まり、留守番中などに声が枯れるほど鳴き続けたり、物を破壊したり…。でも、犬は苦痛に感じているはずのこんな行動を、飼い主が「私がいないとダメなのね〜、かわいいわ」なんて思っていれば、それは問題行動ではなくなる。まあそんな人はあんまりいないと思うけど…。

    そう、その子が問題を抱えているかどうかは、飼い主さんがどう感じるか次第…。

    一番多い相談が、やはり「攻撃行動」。人間にとって深刻なのはもちろんだが、犬や猫にとっても、ある程度は正常な行動だとは言え、しょっちゅう攻撃をしなきゃいけないような日常生活は精神的に安定しているとは言えない。単なるわがままで攻撃していることもあるにはあるが、実は根底にある不安や恐怖から攻撃をするケースが結構多い。

    それを理解せずに、「こいつはワガママだから攻撃してくるんだ!許しておけん!」ってなって、体罰を与えたり、厳しい訓練所に預けちゃったり…。そして、恐怖心は余計に増強され、攻撃はますます悪化…。

     そうなる前に気づいてあげたいよね。