びび子の日記…

人生半ばで獣医師になった人間が、仕事のこと、将来のこと、愛猫のこと、日常のことなどを綴ってみました。

〇〇にはまった友人の話

    先日、懐かしい友人から連絡があった。私のコラムを別の友人がフェイスブックでシェアしてくれて、その繋がりで私に連絡をしてきたのだ。

    実は、連絡をくれたその友人は、ある新興宗教の元信者。出家などはせず、通い信者だったので、そんなにどっぷりとつかっていたわけではない(らしい)。何十年も前の話だし、彼はすぐにやめてしまったし、勧誘もされなかったので、彼のことはそんなに気にしていないのだが、ふと別の友人のことを思い出してしまった。

   これもかなり昔の話であるが、高校の同級生で、一緒に浪人生活を送っていた友人がいた。お互い第一志望校に合格して、よかったねって言い合っていた頃だったと思う。

   ある日、彼女から電話がかかってきた。電話口で彼女は号泣していた。

   「私、あなたに謝らなきゃいけないことがあるの」

   まったく心当たりがなかったのだが、そのまま彼女は泣きながらこう言った。

   「あなたが第一志望に受かった時、素直に喜べなかったの。私、その大学落ちたから悔しかったの。ごめんなさい」

    ん?待て待て…、私は文系で、彼女は理系。しかも彼女が合格した大学は、理系の大学としてはかなりの上位校❗️ そもそも彼女は第一志望校に合格したのだ。よくわからなかったが、「大丈夫だよ〜」とか何とか言って、慰めた(?)ような気がする。

    すると、彼女はこう続けたのである。

    「今日ね、自己啓発セミナーに行ってきたの。自分の汚い部分を全部洗い出して生まれ変わりたいの。今日は心の中に溜まったものを全部出したの。先生に罵倒されながら…。でもね、これだけじゃ救われないの。次は、お前が謝りたい相手を連れてきて一緒に毒を吐き出して浄化しないと救われない、その友達も不幸になるって、先生に言われて…。だから明日一緒にきてほしいの」

    冗談じゃないと思って、何とかごまかして電話を切ったのだが、あれから彼女はどうなったのだろうか…。あんなに仲が良かったのにって、虚しさだけが残ってしまった。

    実はもう一件あるσ(^_^;  これは20代前半の頃の話。

    地元は違うのだが、中学の頃に習い事で知り合って以来、よく遊んでいた友人である。久々に会おうと、お茶することになった。すると突然、今自分がいかに幸せな気分で過ごせているかを語り出した。表情もとっても活き活きしていたので、

    「何かいいことでもあったの?」

と聞くと、もっと輝いた顔でこう言った。

    「毎晩寝る前にお経を唱えてるの。10個のお経があってね。これを1時間かけて唱えると幸せになれるの。あなたにも幸せになって欲しいから、 一緒にやらない?」

     と言って、息つく暇もなくお経の説明を1時間聞かされ、最終的に所属している団体に加入するよう迫ってきた。

     結局、半ば喧嘩みたいな口論になり、その日は決別。

     彼女からはあれから何度か連絡があるが、お経の話は一切出ず、今は結婚して幸せなお母さんになっている。

    

    そんな人たちだけど、みんな本当にいいコなの。男女問わず人気があって、みんなから頼りにされて、いっつもにこにこしてた。でも、みんなには相談されてたけど、本人が相談してるのって、あんまり見たことがなかったな、そういえば。私も彼女たちに甘えてばっかりだったからな…。

    きっと誰にも言えない何かを抱えてたのかなあ。もしかしたら、本人も気づいてなかったのかもしれないね。人を疑うとか、あんまりそういうところもなかったような気がする。私なんか疑ってばっかりだからね(-_-;) 

    それにしても、そんな人たちの弱い部分を狙うのって、やっぱりフェアじゃない!