びび子の日記…

人生半ばで獣医師になった人間が、仕事のこと、将来のこと、愛猫のこと、日常のことなどを綴ってみました。

さてさて行動治療デビューはどうだったかというと…

こんばんは!

もう翌日になってしまいましたが、昨日1人での行動治療デビューしました。

星マークつけてくださったり、ブックマークでコメントくださったりして、本当に応援ありがとうございました(。-_-。)

一応結果報告です。

今回の患者さんは、保護犬さんでした。生後6ヶ月で飼育放棄され、動物愛護センターに収容。その後ボランティア団体に引き取られ、何度かトライアルするも、トライアル先で噛みまくり、1日で戻されるということも…。そんなんを繰り返すたびに情緒不安定な状態が続き、落ち着くのに半年くらいかかっちゃうという何ともかわいそうな子でした。

現在の一時預かりさんがこの子の性格を理解し、とてもよい対応をしてくれているので、正直言って現時点で行動療法は不要かなというものでした。ただ、低気圧になると顔つきや態度がピリピリするとか、普段は全然大丈夫なことが突然怒り狂うとか…、どうも脳に問題がありそうな感じがしたのです。

精密検査を勧めましたが、預かりさんは消極的で、いろいろ話し合った結果、お薬を使ってみようということになりました。検査をせずに薬を使うリスクについても十分説明し、納得してもらった上でのスタートとなります。

もちろん脳の問題だけではないと思います。幼い頃に飼育放棄され、いろんなところをたらい回しにされ、どんなに怖かったことだろうと思います。そういう不安や恐怖から攻撃を発現してもまったく不思議ではないです。本当は飼い主さんとの関係を築いていくための行動療法が必要なんですが、今の状態では手を上げてくれる飼い主さんが現れていないので、それが出来ません。

預かりさんが本当によく頑張ってくれていると思います。飼い主を見つけることはほぼ諦めているようでしたが、最終的にはその方が一生面倒をみる覚悟だとのことでした。ただ、そうなったとしても、このままではこの子が辛い思いをしてるんじゃないかと、ただそれだけを心配していました。

薬がどれだけ効くかは、正直わかりません。薬との相性もあるので…。これからいろんな薬を組み合わせたりしていくことになるかもしれませんが、何かしらの結果が出て、この子の精神状態が少しでも落ち着いてくれたらと願うばかりです。

獣医師は無力ですね…。