びび子の日記…

人生半ばで獣医師になった人間が、仕事のこと、将来のこと、愛猫のこと、日常のことなどを綴ってみました。

引っ越しをやめた一番の理由

 ご無沙汰しております。ブログを更新しない日が続けば続くほど、何を書いていいのかわからなくなります。途中まで下書きしてみるのですが、次の日にはブログにするほどのことかなーと思い始め、結局削除するという繰り返しでした。

 でも、ブログは続けていきたいので、ここで負けてはいけない(笑)

 初心に戻り、思ったことや感じたことを飾らずに書いていきます。

 

 夏の頃は、あんなに引っ越ししたくて仕方なかったのですが、今は引っ越し熱が冷め、出来る限りここにいたいなーと思っております。以前は、常に新しいことにチャレンジしたい意欲に満ち溢れていて、変化を求める性格だったので、1つのところに落ち着くのがあまり好きではありませんでした。

 でも年齢のせいなのか、今の居心地の良さをキープしたいなあと思うようになってきたのです。誰も私のことを知らない場所に行ってゼロからスタートするとか、考えるだけでわくわくしていたのですが、何だかそれがこわくなってきました。この変化は何なんでしょうか?

 今住んでいる場所は、偶然にも約30年来の親友が近くに住んでいて、何かあったらかけつけてくれます。彼女には家庭があるので、そんなに頻繁に会えるわけではないけれど、信頼できる人が近くにいるって、何だかすごく安心する。もう一人の長年の親友も、電車ですぐに来られる距離に住んでおり、「今日会える~?」の一言で会えちゃうのです。

 私には、心を許して何でも安心して話せてしまう親友は、この2人しかいません。彼女たちしか知らない秘密もいっぱいあります(笑)若い頃は一緒にバカなこともたくさんやりました!

 「引っ越しするかも」って彼女たちに伝えた時、「離れるのやだなー」って2人とも言ってくれました。そんな親友たちと離れて、誰もいない場所に引っ越して、やっていける自信がなくなりました(^^ゞ そんなに頻繁に会うわけではないけれど、近くにいてくれるという安心感を失ってまで、新天地に行くことはないんじゃないかなーと、今は思っています。おそらくもう親友と呼べる人には出会わないんじゃないかなと思います。

 新しい仕事のためだったら、今のところにいるよりは引っ越した方がいいのかもしれませんが…。

 あとですね、今住んでいる場所が本当にいいんですよ(*^_^*)東京の下町として有名なところでして、観光客もたくさん来るのでいつもにぎやかです。ガラの悪い、もとい威勢のいいおっちゃんは結構いますが、ヤンキーはいません。猫の町としても知られていて、そういう意味でも居心地いいです。

   ゆる〜く生きるには、今の環境がちょうどいいのかもしれません。

f:id:bibilyn:20161017104712j:plain

   

f:id:bibilyn:20161017104720j:plain

 

 

 

ゆる~く生きます!

 以前、東京脱出を決意したブログを書かせていただきましたが、いろいろ考えた結果、しばらく今のところで頑張ろうと思っております。

理由はたくさんあるのですが、第一に引っ越し費用がない!ということ(^^ゞ

そして、今バイトをしている病院でもう少し頑張ってみたいと思ったことも理由の一つなのです。

学会が終わるまで、今後の進退については決断を待ってもらい、引っ越すかもしれないから続けられないかも…ということだけは伝えていました。学会準備中はストレスもたまり、同時に病院での人間関係に嫌気がさしていたこともあり、現状を打破したい、逃げ出したいという気持ちでいっぱいでした。そんな状況でもあったので、やめてやるー!って意気込んでいたのですが、学会が終わり、引っ越すことのメリットとデメリット、病院を辞めることのメリットとデメリットなどを冷静に考えてみたら、もう少しこのままでいようかなと思った次第であります。

もちろん、嫌なことを我慢してまで続けることはないと思っています。その考えは変わっていません。

でも、院長や病院スタッフと付き合っていくうち、そして何よりもワンコや飼い主さんと接していくうちに、今の状況が心地よくなってきたかも…なのです。

そんなことを率直に伝えたところ、院長は続けてくれるだけでうれしいと言ってくれました。これからのことはゆるーく考えてくれていいですよ、と言ってくれました。

ゆるーく…って何だかいいと思いませんか?

今の今まで、かつかつして生きてきたと思っています。最終的に、子供の頃からの夢である「動物のお医者さん」になれたことは本当に感謝していますが、夢の獣医師になってからのこれからが大事なのかなと思っています。

女性にはいろんな分岐点があります。育児、家事、介護、給与やキャリアの問題などなど…。男性にももちろんあると思いますが、女性ならではの壁ってあると思うのです。そんな中で、自分は獣医師としてどうやってこれから生きていくのか、漠然と考えてしまいます。

できれば獣医師として長く働きたいと思いながらも、無理はしたくない…。それはワガママかもしれませんが、ゆる〜く考えましょうと言ってくれるのであれば、それに乗っかってもいいのかなあと思うのであります。

もちろんフリーで行動治療をやることが大前提です。それだけは諦めていません。

でも、ゆる〜く進んでいきたいですね。うんうん。

以前、病院の人間関係で爆発したことについて、いろんな方から励ましのコメントをいただきました。本当に優しいコメントばかりで、ありがたかったです。あのコメントがあったから、かえって冷静に考えることが出来たんだと思います。本当にありがとうございましたm(_ _)m

若干、強迫観念にとらわれやすいネガティヴ思考の自分ですが、意識して「ゆるく」生きられるように、これからの人生楽しみたいと思う次第であります。

 

愛する我がニャンコたちのように… 

f:id:bibilyn:20161003185242j:plain

 

f:id:bibilyn:20161003185319j:plain

 

お手上げ〜

学会という関門を突破し、時間の余裕ができるかと思いきや、なんだかやることいっぱいで、ブログを書くことはもちろん、皆さんのブログを読むことさえもできなくなっている毎日です。

 

 もっと余裕が欲しいなあ…

 

とりあえず専門学校のバイトの準備を終わらせようと、時間を見つけては取り組んでいるのですが…

 

今、乗ってきたのになあと思ったら、こんな状態にσ(^_^;)

f:id:bibilyn:20161002233059j:plain

ペンを狙ってます…

f:id:bibilyn:20161002233221j:plain

…そして寝ました。

f:id:bibilyn:20161002233308j:plain

こんなかわいい寝顔、起こせないでしょ〜(>_<)

今日は(も)、準備進まない気がします。

行動学のセミナーに行ってきました

金曜日から3日間連続でセミナーに行ってきましたよ(^^)v

アメリカで行動治療をやられている先生をお呼びしての特別講演でした。なんと、通常のセミナー料金は一日につき30,000円!しかし、獣医学生(大学院生含む)は2,000円(^^ゞ この違いはすごい!学生料金で行けるのは今年度が最後なので、迷わず申し込みました。来年からはたぶん高額料金のセミナーは行けなくなるんだろうな…。しっかし高いな…。

 

講師の方のお名前はVint Virga先生。犬や猫の問題行動の治療に携わり、現在は動物園動物の行動治療に従事している方です。本当に優しさがあふれ出ている先生で、ストレスを抱える動物たちの癒しになっているに違いないと確信できるような、そんな先生でした。

 

セミナーのテーマの一つである、行動学的皮膚病学は今まさに私の患者さんが直面している問題だったので、とても興味深いテーマでした。皮膚病がきっかけで掻くようになり、皮膚病自体は治っているのに掻く行為が止まらないとか、心因的なものがきっかけで身体を掻くようになり、自分を傷つけ、そこから細菌感染などが起こって皮膚病を患ってしまう、などなど皮膚病学と行動学はとても密接な関係にあります。

 

でも…犬猫の問題行動治療はまだまだ完全には浸透していないのです。現役の獣医師さんの間ですら、軽視されていることが多々あります。それでも、だいぶ理解してくださる先生も増えてきて、協力してくださるので、そんな先生がかかりつけの場合は、行動治療がとても進めやすいです。

でも、まだまだです。そんなことを痛感させられる症例を私は抱えています。もっともっと広まってくれないかな。飼い主さんももちろん辛いけど、一番辛いのは犬や猫なのにね。病気の犬や猫の気持ちを考えたら、心理的な要因は無視できないと思うのですが…。

今日のセミナーは、お世辞にも広い会場ではありませんでした。これが、心臓外科とか神経外科とか腫瘍学とか整形外科とかの、いかにも難しそうなテーマだったら、もっと大きな会場が用意され、最先端の情報を仕入れたいという熱心な獣医師で埋め尽くされるくらいになるのだろうか。てか、やっぱり30,000円は高いよね(=_=)

 

今日受講した獣医師の先生たちが、もっともっと行動治療を広めてほしいなと思います。もちろん、私も頑張ります。このブログがちょっとでもお役に立っていればうれしいです。

 

ちなみに、最終日の今日は、「猫の攻撃行動」がテーマでした。

「やったるで~!向かってこいや!」という意気込み満々の攻撃サインと、「こわいんですけど、不安なんですけど…、これ以上私の気持ちをわかってくれないなら、もう攻撃するしかないんですけど」の攻撃サインは全然違うんですよ。猫を飼ってる方ならわかるかもしれないですね(*^_^*)

猫は、犬と違って社会的な動物じゃないって思われる方もいると思いますが、いえいえ、猫はものすごく社会性ありますよー!

実は、顔の表情だけでほとんどのサインを読み取れるそうです。それに身体のサインも加わって、実に多彩なサインで気持ちを表してくれます。

猫が教えてくれるいろんなサインについては、機会があれば(ご要望があれば)、今度ご紹介したいと思います!!

 

ビビリンの攻撃サインは、ビビリン先生から実践で教えてもらってます(笑)

f:id:bibilyn:20160918204227j:plain

 

愛犬との散歩について思うこと

犬の問題行動治療の現場に立たせていただき、最近思うことがあります。

愛犬とのお散歩を楽しんでいない方が多いなと…。お散歩が義務のようになっている方が本当に多いと感じます。

 

まず考えてみてください。お散歩は誰のために行くのでしょう?そうです、犬のためです。ここで義務感のようなものが生まれてしまう方は案外多いのですが、せっかくの愛犬と過ごす貴重な時間を、私はもっと楽しんでほしいなと思うのです。

 

犬は散歩が大好きです。大好きな散歩に連れて行ってくれる飼い主さんも大好きです。でも、飼い主さんが「めんどくさいな~」と思いながら散歩をさせられていたら、犬は楽しいでしょうか?せかされるような散歩は、犬も飼い主さんも苦痛になってしまいますよね。

 

「匂いを嗅いでばかりで、ちっとも進んでくれない。忙しくて時間がないのに…」という飼い主さんがいました。匂いを嗅ぐことは、犬にとって他の犬のことを知るための大切な情報源です。思う存分嗅がせてあげてください。満足したら先に進んでくれるはずです。

 

「他の犬に反応して吠えるから散歩がしにくい」という飼い主さんもいます。普段他の犬と接触がない子は、過剰に反応することがあります。遊び好きな子も、反応することが多いです。どこまで飼い主さんが受け入れてあげるか、また愛犬や相手の犬の攻撃性、さらには相手の犬の飼い主さんの反応によって、挨拶をさせてあげるか、そのまま素通りさせるかなどさまざまですが、どうしても吠えてほしくない場合は、うまく方向転換して気をそらせてあげてください。その時、飼い主さんが普段から犬に話しかけ、飼い主さんに魅力があれば、一瞬でもこちらに向いてくれるはずです。その隙に、うまく誘導して方向転換してしまいましょう。

 

お散歩しながら、ぜひ愛犬とお話ししてください。外で犬と話すなんて、恥ずかしいですか?そんなこと言わずに、どんどん話しかけてください。名前を呼んですぐおやつをあげるのもよいと思います。そうすると、話しかけられると、犬はあなたを見てくれるようになります。他の犬を見て興奮する前に、優しく名前を呼んだり、話しかけてあげると、こちらに反応してくれるようになります。間違ってもリードをぐいぐい引いて、無理やり引きずることのないようにしましょう。

 

リードショックというトレーニング方法があります。犬の首にショックに与えることで、犬に言うことをきかせるというものですが、犬にとっては苦痛です。特に小型犬の場合は、頸椎や気管に影響を与える可能性もあるので、おすすめはしません。何と言っても、「他の犬に会うとリードをグイッと引っ張られて何だか嫌だ」ということから「他の犬に会う=嫌なことが起きる」という悪いイメージもつきやすくなります。その結果、他の犬に対する印象がますます悪くなるということも起こり得ます。

 

ですから、すぐに飼い主さんに注意を向けてくれるよう、普段からのコミュニケーションが重要になってくるんですね。犬にとって魅力的な飼い主さんであれば、振り向いてくれるはずです。それが、おやつをくれる人でもいいと思うのです。「うれしい」を提供してくれる人なのですから、とっても魅力的です!

 

つい先日、「時間がなくてイライラしてしまうなら、いっそのこと散歩に行かない方がいいですか?」という質問を受けました。確かにそのような状態であれば、散歩には行かない方がまだましかもしれません。でも、散歩は犬にとって数少ない楽しみの一つです。人間の場合は、趣味などで息抜きをする方法がたくさんあると思いますが、犬にとっての散歩はまさにリフレッシュの時間です。時間がないのなら、ぜひその時間をあえて作っていただきたいと切に願います。もちろん、飼い主さんや犬の体調が悪い時や天候が悪い時には無理して行く必要はありませんが…。

 

余談ですが、私は2年前に愛犬を亡くしました。お散歩が大好きで、そんな愛犬の姿を見るのも楽しくて、行ける時は夕方2時間くらい散歩していました。ずっと歩き続けるのではなく、途中ベンチに座ったり、公園の芝生に座って過ごす時間もありました。「楽しいね~」、「気持ちいいねえ」と話しかけ、ちょこちょこおやつをあげながら散歩をしていました。あえてコースは決めず、行ったことのない場所を探索するのも楽しかった記憶があります。亡くなってしまった今、彼女とはもうお散歩ができません。今、愛犬と過ごすことのできる貴重な時間をみなさんも大切にしていただきたいと心から願います。

f:id:bibilyn:20160206003139j:plain

お散歩の時のショットです。

お散歩一緒に行きたいな~…