上野動物園で見たハズバンダリートレーニング
今日はめちゃくちゃ暑かったですね(・Д・)ノ
そんな猛暑の中、研究室のみんなで上野動物園に行ってきました!
教授のお知り合いの方が上野動物園の元飼育員さんで、今回ガイドとして動物園を案内してもらうことになったのです。お伝えしたいことがいくつかあるので、何回かに分けてご紹介しちゃいます(^O^)/
今回は大好きなゾウさん💕
展示時間終了間際だったので、お部屋に帰る前に軽いトレーニングをしていました。トレーニングといってもムチを打って厳しい訓練をするわけではありません。
「ハズバンダリートレーニング」って聞いたことありますか?私はつい最近まで知りませんでした…。この言葉はまだ日本では馴染みの薄い言葉です。
ハズバンダリートレーニングをひとことで表現する日本語はないそうです。わかりやすく説明すると「動物を長期に健康的に、なおかつ動物も人も安全に飼育するためのトレーニング」ということができます。これには「動物の生理や生態、心理面での飼育管理を可能とするために必要な行動」が含まれます。
具体的には、部屋の掃除のためにほかの部屋に動物を追い出すのではなく自ら移動するようにトレーニングする、捕まえて体重計に乗せるのではなく自ら乗るようにさせる、爪切りやレントゲン撮影、歯の掃除といった受診のための動作をとらせるなど様々です。
ここで重要なのは「動物が自らその行動をとる」ことです。しかもこのトレーニングは、褒めたりご褒美を与えたりしながら伸ばす訓練で、叩いたりするような罰は一切与えません。動物たちは褒められたくて、ご褒美をもらいたくて自ら行動します。
日本でも水族館ではイルカやアシカなどに対して日常的にかなり高度なトレーニングもおこなわれていますが、動物園では、飼育動物、とくに野生動物に対するトレーニングは不自然なものとみなされ、敬遠されてきた経緯があります。
しかしここ数年、野生とは違う動物園という環境下では、動物の健康管理やストレスを軽減する方法として徐々に広まってきています。
そんなハズバンダリートレーニングを偶然間近で見ることができたのです。
まず飼育員さんが合図のようなものを出します(突然始まったので、どんな合図かはわかりませんでした…)。するとゾウさんは自ら伏せて体を傾け始めました。
ごろ〜ん!
そして気持ちよさそうに背中をブラッシングされています。
ブラッシングが終わると、また立ち上がって、飼育員さんが特に合図もしていない(ように見えた)のに、順番に足の裏を見せていました。
足の裏も丁寧にブラッシング(^∇^)4本全部が終わるとバナナをもらって嬉しそうでした(≧∇≦)
他のゾウさんも別の場所で同じようにお手入れをしてもらっていました(=゚ω゚)ノ
みんなのお手入れが終わったのでいよいよ室内に戻るのですが、尻尾と鼻で繋がって、みんなで並んで戻ります。
か、かわいい💕
朝はもっと本格的なトレーニングをしているようですね〜
実は犬や猫などのペットにも、このハズバンダリートレーニングを広めようとする動きが見られています。押さえつけて強制的にやらせるのではなく、動物が自ら診察台に乗って、触診されても採血されても口の中を診られても大丈夫になってくれたら、それは本当に理想ですね。病気になる前の健康チェックもスムースにできるし、もし病気やケガをしても、安心して治療が受けられるのになって思いますよね。しかし、現状はなかなか厳しい…。まずはこの考えが、獣医師やトレーナーさん、飼い主さんに広まってくれたらいいなと思っています(u_u)